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OpenAI「Decisions API」、AI判断処理を最大10倍速く

この記事のポイント

  • OpenAIが「判断」だけに特化した高速・低コストAPI「Decisions API」を正式提供開始しました。
  • GPT-6 LunaのResponses API利用時より最大10倍速く、確率・選択・評点の3タイプで判断結果を返します。
  • Box・Datadogなど導入企業は、分類や振り分け作業の高速化にすでに活用しています。

アプリやAIエージェントが裏側で繰り返している「どう振り分けるか」「どちらを選ぶか」といった小さな判断だけを、高速かつ低コストで処理する新しいAPI「Decisions API」を、OpenAIが公式に正式提供開始したと発表しました。何をするAPIで、実際にどう使われているのかを整理します。

「判断」だけを切り出して高速化する仕組み

アプリやAIエージェントは、入力をどう分類するか、どこにリクエストを振るか、次にどの処理をするかといった小さな判断を、処理のあちこちで積み重ねています。ひとつひとつは単純でも、まとめて大規模なAIモデルに問い合わせていると、応答の遅さとコストが無視できない規模になります。

Decisions APIは、OpenAIの最新モデル群「GPT-6 Luna(ひとことで言うと、OpenAIの汎用AIモデルの最新版)」の判断力を、答えの範囲が決まった質問だけに絞り込むことで、GPT-6 LunaをResponses APIから呼び出した場合と比べて最大10倍速い応答を実現したとされています。開発者は質問と想定される答えの形を指定し、テキスト・画像・構造化データ(JSON)を入力として渡せます。返ってくる答えの形は3種類で、「predicate」は条件が当てはまる確率を0〜1の数値で、「choice」は用意した選択肢から1つを、「score」は段階的な評価基準に沿った数値を返します。1回のリクエストで最大400件の質問をまとめて処理できる点も、量をこなす業務処理に向いています。

判断ゲートが入力を確率、選択、評点へ振り分ける様子を示す

Box・Datadogなど、実際の導入企業の使い方

文書管理サービスのBoxは、書類を分類して適切な処理へ振り分ける作業にDecisions APIを使い、保険証券30件の評価で振り分け速度が通常のAPIの約5倍になった一方、精度は同水準を保てたと公式に紹介されています。判断の確信度が低いケースだけを人のレビューに回す運用もできるため、定型作業の自動化と人の確認を両立できる点が評価されています。Datadog・Ramp・Sierra・Speakといった企業も採用を始めており、OpenAI社内でも経費の分類や応答速度の改善に使われています。リアルタイム音声対話機能「GPT-Live」とも直接連携でき、会話中にアバターの表情を変えるといった即時の反応を作る用途にも対応します。料金は入力トークン100万あたり0.10ドル、キャッシュされた入力は100万あたり0.01ドルで、出力トークンの課金はありません。

まとめ

これまでAIエージェントの「分類する」「振り分ける」といった小さな判断も、結局はフルサイズのAIモデルへの問い合わせとして処理され、コストと応答速度を圧迫しがちでした。Decisions APIの考え方は、そうした判断だけを切り出して専用の仕組みに任せるというもので、既存のChatGPT・API活用の中に「実は判断だけで十分な処理」が隠れていないかを見直すきっかけになりそうです。どのAIエージェントを使うか比較検討している方は、主要サービスの個性を整理したAIエージェントの選び方の記事もあわせてご覧になるとよいでしょう。

※ 2026年10月時点の情報です。

著者プロフィール

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馬渡 徹郎 / Tetsuro Mawatari ホームページ

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