この記事のポイント
- GeminiのAgentic Videoは、質問に合わせて動画の必要な場面・速度・音声や字幕を探索します。
- 提供元評価ではトークン最大88%減などを報告していますが、動画分析ベンチマークでの結果です。
- APIで処理方式を指定する機能で、動画生成や文字起こしとは別の用途です。
Googleの公式発表から、長い動画の中を探索する処理を紹介します。対応するモデルとアプリへの展開予定を整理します。
「均等に読む」から「探索する」へ:トークン最大88%減
これまでのGeminiは、動画を一定のフレームレートで均一に読み込んでから内容を理解する方式が基本でした。今回追加された「エージェント型」は、モデルの推論能力と動画ツールを組み合わせ、映像・音声・字幕を横断しながら目的の場面を動的に検索・スキャン・検査する仕組みです。長尺動画の全体をとりあえず全部読み込むのではなく、質問に応じて必要な部分だけをモデル自身が選んで見に行きます。
公式ブログでは、長尺動画の理解力を測るベンチマーク「LongVideoBench」の評価結果として、トークン消費最大88%削減・分析コスト最大66%削減・精度最大7%向上という数値が示されています。中でも「Gemini 3.7 Flash」との組み合わせが、精度とコスト効率のバランスが最も優れているとのことです。対応する動画の長さは「10分のハウツー動画から90分の講義、数時間規模の録画まで」とされ、長尺動画ほど効果を発揮しやすい機能だとわかります。

対応モデルと使い方:設定を1か所変えるだけ
2026年9月1日の発表時点で、Gemini 3.7 Flash・Gemini 3.6 Flash・Gemini 3.5 Flash-Liteの3モデルに対応しています(Gemini APIのドキュメントを執筆時点で確認すると「Gemini 3.8 Flash」も追加で記載されており、対応モデルは増えている可能性があります)。使い方はシンプルで、動画を渡すリクエストの設定でprocessingを"agentic"に指定するだけ。料金は既存のGemini APIのトークン料金がそのまま適用され、追加費用はかかりません。ただし短い動画(5分未満)では最初の応答が返るまでの時間がかえって長くなる場合があるとの記載もあり、探したい場面がある程度絞れている検索用途に向いた機能といえます。
業務での使いどころとしては、数時間の研修・講義動画から該当箇所だけを検索する、製品デモや監視映像で特定の動作が起きた瞬間をサブセカンド単位で拾う、動画内の出来事や物の数をカウントする、といった活用例が紹介されています。Google AI Studio・Gemini Enterprise Agent Platformからすでに利用でき、Geminiアプリへの搭載とYouTubeの「Ask YouTube」機能への実装は「今後数か月以内」に予定されています。
シーン拡張は動画を作る・伸ばす機能、Transcribeは音声を文字にする機能です。ここでの「エージェント型」は、モデルが動画内を探索する処理方式を指します。
まとめ:「理解し、探す」機能、他のGemini機能との違い
動画素材を検索・整理する開発チームには、動画を理解する機能と音声の文字起こしを分ける視点が参考になります。対象形式や処理範囲をそろえて検証するとよいでしょう。発表された拡張予定と、現時点で使える機能も区別して比較できます。
※ 2026年9月時点の情報です。仕様は今後変更される可能性があります。詳しい仕様はGoogle公式ブログとGemini API公式ドキュメントで確認できます。