この記事のポイント
- GitHubが、間接的なプロンプトインジェクションなどAIアプリ特有の脆弱性を検知する新機能を公開プレビューとして発表しました。
- プルリクエスト作成時に、既存のCodeQL解析と並行して自動スキャンし、修正方法も合わせて提示します。
- 利用にはGitHub Advanced Securityライセンスが必要で、現時点ではgithub.com限定です。
GitHubは2026年10月28日、AIアプリケーションやエージェント特有の脆弱性を検知する「Code scanning for AI applications」を公開プレビューとして発表しました。プルリクエストを開いた時点で、既存のコードスキャンと並行してAI特有のリスクを検出します。
間接プロンプトインジェクションなど、AI特有の3つのリスクを検知
検知対象は3種類です。1つ目は「間接プロンプトインジェクション」で、ファイルやWebページ、Issueのコメントといった信頼できないコンテンツに悪意ある指示を隠し、それをAIエージェントが読み込んで挙動を操作される攻撃です(OWASP Top 10 for LLM Applicationsで最上位のリスクとされています)。2つ目は「機密情報の開示」で、適切な認可制御がないままAIが機密データにアクセスし、本来見るべきでない利用者やシステムに露出してしまう問題です。3つ目は「過剰な権限(Excessive agency)」で、タスクに必要な範囲を超えてエージェントに権限や自律性が与えられている状態を指します。いずれも、エージェントが社内のツールやデータ、業務システムに接続できる場合に実害につながりやすいリスクです。

既存のCodeQL解析と同時に、PR上で検知から修正提案まで
このスキャンは、信頼できないコンテンツがツールやデータ、業務システムにアクセスできるモデルへ到達するコードパスを、プルリクエスト作成時に既存のCodeQL解析と並行して自動検出します。検出結果はプルリクエストの「Conversation」または「Files changed」タブに表示され、マージ前に対処方法のガイダンスも提示されます。対応範囲は今後拡大していくとされていますが、現時点で対象言語・フレームワークの一覧は公開されていません。
利用条件: Advanced Securityライセンスとgithub.com限定
利用にはGitHub Advanced Securityのライセンスが必要で、コードスキャンとAIアプリケーション向けスキャンの両方を有効にしたリポジトリでプルリクエストのスキャンが始まります。現時点ではgithub.comでの提供のみで、GitHub Enterprise Serverでは利用できません。自社でAIエージェントを開発するエンジニア組織がある場合は、既存のセキュリティ運用にこのスキャンを組み込めるか、Advanced Securityの契約状況から確認するとよいでしょう。
まとめ
AIエージェントを自社で開発・運用している組織にとっては、プルリクエストの時点でAI特有のリスクに気づける仕組みが増えたことになります。GitHub Copilotの脆弱性自動修正と組み合わせれば、検知から修正提案までの工程を開発フローの中でつなげやすくなるでしょう。
※ 2026年10月時点の情報です。