この記事のポイント
- 自社でAI用の機器を買わずに、文書検索や問い合わせ支援を検証できます。実機環境を月額で利用します。
- 横浜データセンターの検証環境へ接続して利用します。本番業務や商用運用は対象外です。
- IBM i・AIXなどの業務データとの連携構成も検証できます。データ配置は要件に応じて設計します。
NTTインテグレーションは2026年10月30日、Spyreトライアルサービスの提供開始を発表しました。IBM Spyreの実機環境を月額で使う検証サービスです。Spyreは、質問への回答などを計算する「AI推論」に特化した半導体です。
何を検証できるサービスか
社内規程・製品資料・設計文書などの検索を、本格導入前に試せます。FAQや問い合わせ履歴を使った対応支援も対象です。資料を検索し、その内容を参考に回答を作るRAGの適用可能性も調べられます。想定する利用人数やデータ量に応じ、応答性能と回答品質を確認します。
環境は横浜データセンターに設置されています。利用企業はインターネットか閉域網で接続します。閉域網は、一般公開のインターネットと分けたネットワークです。基盤の監視、障害時の一次対応、保守は提供元が担当します。評価・検証専用で、商用業務や継続的な本番処理は対象外です。
利用企業は検証シナリオ、評価基準、検証データ、接続端末を用意します。データは匿名化やマスキングなどの加工をしたものが推奨されています。OCR、音声認識、FAXやメールからの取り込みは標準機能に含まれません。基幹システムへの自動登録やワークフロー連携も個別開発の対象です。
既存のIBM Power環境との連携を見据えた設計
既存のIBM i・AIXの業務データとAIを連携させる構成も検証できます。これらはIBM Power上で使われる業務システム向けのOSです。本番導入では、要件に応じて業務データに近い場所へAI基盤を置く構成を提案します。検証用のデータセンター利用と、本番時のデータ配置を分けて計画します。
トライアル終了後は、アプリ開発やRAG環境の構築、データ整備を個別に支援します。既存システムとの連携や運用支援も対象です。
まとめ
IBM Power環境を使う企業には、機器購入前に実機で回答や応答を評価する選択肢が増えました。まず扱う業務と評価基準を決めると、検証結果を導入判断に使いやすくなります。既存システムをAIが使える形に整える考え方は、NTTの別の技術を扱った記事も参考になります。自社のデータ取扱方針と接続要件を確認し、検証時に持ち込める情報の範囲を提供元と調整するとよいでしょう。
※2026年10月30日発表時点の情報です。
