この記事のポイント
- FigureのHelix 2.5は30軒の未見住宅で3種類の家事動作を検証しました。
- 評価は住宅と物体への現地適応なしですが、動作を教えるデータは別環境で使っています。
- 成功率56%は同社の限定された試験条件の結果で、家庭作業全般の能力を示しません。
Figure AIの公式発表から、Helix 2.5による全身動作の実証を紹介します。環境の条件と成功・失敗の判定方法を整理します。
初めての家30軒で、現地の追加学習なしに家事を検証
検証したのは、米ベイエリアの30軒の家です。評価先の家や作業対象の物を事前に学習せず、現地でも追加学習や調整を行いませんでした。このように、評価する環境や物の例を使わずに試すことを、ここでは「ゼロショット」と呼んでいます。
ただし、家事を何も学んでいないわけではありません。作業のやり方は別の場所で集めたデータで学習済みです。作業ごとに同じ学習済みモデルを30軒すべてで使い、家に合わせてモデルを変えることはしていません。
片付け・タオル畳み・ベッドメイキングを最後まで判定
試した作業は次の3つです。
- おもちゃの片付け:散らばった13〜15個をすべてかごに入れる
- タオル畳み:すべてのタオルを畳み、かごに入れる
- ベッドメイキング:両方の枕とかけ布団の角をベッド上部に配置し、布団を平らに整える
周囲を見て移動し、両手を使う全身の作業です。成功とされるのは最後まで完了した場合だけで、部分点はありません。安全のために人が介入した試行も失敗として扱っています。
人の行動データで事前学習すると成功率は56%に
人の行動を集めたデータ基盤「Index」で事前学習したモデルの成功率は56%、その事前学習をせずにタスク用データで学習した比較モデルは9%でした。作業用データやモデルの構造、学習・評価の条件をそろえ、Indexによる事前学習の有無だけを変えた比較です。
Helix 2.5は、画像と言葉を扱う既存の学習済みモデルを出発点にせず、Indexだけで基礎から事前学習しています。Figureによれば、Indexには毎秒約35分相当の人の行動データが新たに加わっています。

Figureは自社が知る限り、この規模での人型ロボットの全身動作の実証は初としています。独立した世界初の認定や、どんな職場でも動くことの証明ではありません。
出典・参考資料:Figure AI公式発表。
まとめ:導入判断では成功率と評価条件をセットで見る
作業ロボットの検証に関わる方には、成功の定義と環境の違いをそろえる視点が参考になります。家事での56%という結果を、職場での成功率には置き換えられません。人の介入を含む失敗の扱いまで確認すると、実証が示した範囲を捉えやすくなります。
動作の学習方法という観点では、NVIDIAとSkild AIが動画1本からロボットに新しい仕事を教える手法を実証した例もあります。