この記事の要点
- Ollamaの用途別候補は要約・翻訳・単体コード修正・リポジトリ理解などで分かれ、端末条件も含めて比較します。
- 翻訳向けにはTranslateGemmaやAya Expanseを紹介し、言語の範囲やモデルサイズが異なる候補として整理しています。
- コード用途も軽量補助と広い文脈を使う作業で異なり、サイズや人気だけでは適性は決まらないとしています。
Ollamaの公式ライブラリをもとに、用途別の候補を紹介します。同じ入力で比べる際の容量・速度・修正量を整理します。
要約に使うなら:長い文章を丸ごと渡せるモデルを選ぶ
議事録や長文レポートの要約に使いたい場合、決め手になるのは「コンテキストウィンドウ」(一度に読み込める文章の長さ)の広さです。汎用モデルの中では、qwen3.5のように画像・ツール呼び出し・推論に幅広く対応したモデルが候補になります。公式の説明では「優れた実用性と性能を発揮するオープンソースのマルチモーダルモデル群」とされており、長文を読み込ませたときの安定感も期待しやすいタイプです。まず汎用モデルで試してみて、要約結果が長文になるほど崩れる・話が逸れると感じたら、コンテキストウィンドウがより広いモデルに切り替える、という判断基準で選ぶとよいでしょう。
翻訳に使うなら:翻訳専用モデルという選択肢がある
翻訳は、実は汎用の会話モデルより「翻訳に特化したモデル」のほうが得意な場合があります。代表格がTranslateGemmaです。公式の説明では「Gemma 3をベースにした、55言語間のコミュニケーションを助ける翻訳専用モデル群」とされており、4B・12B・27Bの3サイズから選べます。まず試すなら軽量な4B(3.3GB)から、精度を求めるなら27B(17GB)というのが目安です。もう1つの選択肢がAya Expanseです。Cohere For AIが開発した多言語モデルで、日本語・英語・中国語・韓国語を含む23言語のテキスト理解・生成に対応し、8B(5.1GB)・32B(20GB)の2サイズがあり翻訳だけでなく多言語でのやり取り全般に強いのが特徴です。「複数言語を行き来する機会がある」場合はAya Expanse、「翻訳の精度を最優先したい」場合はTranslateGemmaを試してみるとよいでしょう。
# 例: TranslateGemmaの軽量版(4B)を試す
ollama run translategemma:4b
コード補完に使うなら:「コード生成」と「リポジトリ理解」で選び分ける
コード関連のモデルは、実は目的によって向き不向きが分かれます。ちょっとした関数の生成・修正といった日常的な補助であれば、軽量なqwen2.5-coderも候補になります。一方、複数ファイルにまたがる大きめのリポジトリを理解させたい・込み入ったエージェント的な作業をさせたいという場合は、qwen3-coderが有力です。公式の説明では「同シリーズで最もエージェント的なコードモデル」とされ、30Bサイズのモデルながら実際に計算に使われるパラメータは3.3Bに抑えられたMoE(専門家混合)構成で、コンテキストウィンドウも256K(最大1Mまで拡張可能)と大きく確保されています。「ファイル単体の修正で十分」ならqwen2.5-coder、「プロジェクト全体を読ませたい」ならqwen3-coder、と覚えておくとよいでしょう。

まとめ:迷ったら、まず用途を1つに絞って試す
Ollamaのモデルを選ぶ方は、端末の容量と実際の用途を基準に比較するとよいでしょう。パラメータ数や人気だけでは回答の適性は決まりません。同じ入力で速度と手直しの量を確かめることが、必要以上に大きなモデルを選ばないための材料になります。
※本記事は2026年8月30日時点のOllama公式ライブラリの掲載内容に基づいています。ラインナップや対応言語・サイズは随時更新されるため、最新情報は公式ライブラリを確認するとよいでしょう。
用途別のモデル選びに加えて、Ollamaには文章ではなく判定だけを返す「/v1/systemone」という専用APIも追加されています。
Qwenシリーズの今後については、Alibaba、Qwenを5〜10兆パラメータへ拡張する全社AI戦略(記事ID 913)も参考になります。
判断・分類に特化したモデルという切り口では、Cloudflareの判断AI「Clef」をOllamaでローカル実行できるようにした例も候補に入ります。