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OpenAI「Astra for Law」の機能と提供条件、法律調査を支援

この記事のポイント

  • Astra for Lawは米国法の調査を支援する法律分野向けAI基盤です。
  • OpenAIの200問評価では米国法に関する正答判定が54.0%でした。
  • 発表時点では選定事務所向けの限定提供で、日本法や個別案件の正確さを保証しません。

OpenAIの公式ブログから、法律実務に向けた調査基盤を紹介します。対象法域、評価条件、利用資格を分けて整理します。

法律事務所向け専用AI「Astra for Law」、2億3,000万超のURLを検索

OpenAIが2026年9月17日、公式ブログで「Astra for Law」を発表しました。同社のモデル「GPT-6 Astra」をベースに、法律事務所やリーガルテック企業向けに指示・検索ツール・コンテキストを最適化した基盤です。ChatGPT側では「GPT-6 Astra Law」という名称で、APIでは「gpt-6-astra-law」として利用できるようになる見込みです。

目玉は専用の法律検索インデックスです。2億3,000万超のURLを対象に米国の判例・法令・規則などを検索でき、Free Law Projectとの協力で公開された米国の先例の99.9%超を対象に含みます。200件の米国法律調査の設問でベンチマークしたところ、Astra for Lawは54.0%の設問で正答と判定され、通常のWeb検索だけを使った場合の38.7%と比べて約40%の相対的な改善が見られ、関連する判例の発見数も24%多かったとしています。これはOpenAIによる米国法の調査問題での評価であり、日本法や任意の法律業務で同じ精度を保証するものではなく、回答と引用は専門家の確認が必要です。

米国法の資料を検索する本と虫眼鏡に、検索対象が2億3,000万超のURLであることと専門家の確認を添えている

26のパートナー製プラグインと、信頼できる事務所向けの限定提供

単体のAIとしてだけでなく、既存の法律実務ツールと組み合わせて使える設計になっているのも特徴です。文書管理のiManage、契約管理のIntapp、法務調査のDeepJudge、Thomson Reutersなどから提供される26のパートナー製プラグインに加え、弁護士やリーガルエンジニアによる9件のコミュニティプラグイン、47件のカスタムスキルが同時公開されました。API顧客にはリーガルAI企業のHarveyとLegoraの名前が挙がっています。

提供方法は一般公開ではなく、段階的です。OpenAIは対象の法律事務所向けに「Trusted Access Program」を設け、弁護士とその監督下で働くスタッフが業務で使えるようにします。プログラムにはAPI利用時のゼロデータリテンション(ZDR、入力データを保持しない設定)や、ChatGPT Enterprise利用時にデフォルトで人的レビューの対象外にする仕組みが含まれ、Latham & WatkinsやSullivan & Cromwellといった大手法律事務所と設計段階から協力したとしています。API提供は近日開始予定です。

ゼロデータリテンションの適用と安全性監視は別の条件で、契約・運用資料でそれぞれ確認する必要があります。

まとめ:評価条件と専門家の確認を分ける

法律調査の支援を検討する方には、対象法域と利用資格が最初の判断点になります。米国法の評価値は日本法の業務には転用できません。専門家による回答・引用の確認と情報管理の条件をそろえたうえで、調査支援として使える範囲を検討するとよいでしょう。

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馬渡 徹郎 / Tetsuro Mawatari ホームページ

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