AIエージェント

社内データとAIエージェントを直結、Microsoft Foundryの「Dataverse MCP」

この記事のポイント

  • Dataverse MCPは、FoundryなどのエージェントからDynamics 365・Power Platformのデータや操作を扱う接続口です。
  • 環境管理者はMCPと利用クライアントを許可リストに追加し、Entra IDで認証を設定します。
  • 接続後も、利用者の権限とツールの操作範囲を組織側で確認・制限する必要があります。

Microsoftの公式チュートリアルから、Dataverseの接続例を紹介します。接続の成功とデータへの権限を分けて整理します。

DataverseとエージェントをつなぐMCPサーバー

Microsoftの公式チュートリアルでは、FoundryのエージェントからDataverseへ接続する例を紹介しています。Dataverse MCPサーバーは、Dynamics 365やPower Platformのデータをエージェントから検索・作成・更新するための接続口です。同チュートリアルは接続設定を30分以内で行う手順を示しますが、組織固有の権限や承認、データ保護の確認時間を含むとは限りません。

つなぐまでの流れ:大きく3ステップ

公式チュートリアルで紹介されている手順を、要点だけ整理すると次の3ステップです。

  1. Microsoft Entra IDでアプリ登録:MCPクライアント(Microsoft Foundryのエージェントなど)に「信頼できる身元」を与えるため、Azureポータルで新規のアプリ登録を作成し、Dynamics CRMのAPI権限(Microsoft Graphのoffline_access・openid・profileも含む)を追加して管理者の同意を与え、クライアントシークレットを発行します。ここで得られる「クライアントID」と「シークレット」を後の手順で使います
  2. 環境と利用クライアントを許可:Power Platform管理センターで対象環境のDataverse MCPを有効にし、Advanced SettingsでFoundryなど使用するMCPクライアントを許可リストに登録します。環境機能を有効にするだけでは、クライアント側の接続が許可されない場合があります。
  3. Microsoft FoundryのエージェントにMCPツールとして追加:「ツールを追加」→「カスタム」タブから「Model Context Protocol(MCP)」を選び、接続情報を入力します。エンドポイントはhttps://<organization>.crm.dynamics.com/api/mcpという形式で、①のテナントIDを使い認可URL・トークンURLをMicrosoft Entra IDの標準的なOAuthエンドポイントに合わせて設定、接続後のリダイレクトURLをアプリ登録の「認証」設定にも追加します

設定が完了したら、エージェントに「取引先企業の一覧を教えて」のように話しかけると、Dynamics 365へのサインインフローが始まり、同意画面で許可を出せば実際のDataverseのデータをもとにした回答が返ってきます。

公式のトラブルシューティングでは、401エラー時は管理者同意とシークレットの有効期限、接続失敗時はMCPの有効化、トークン更新失敗時はリフレッシュURLとトークンURLの一致を確認します。Foundry・Copilot Studio・カスタムアプリから接続する仕組みです。MCP連携の設定不備が招くリスクは、LiteLLMのMCP連携で見つかった脆弱性の記事も参考になります。

複数のサービスをMCPでまとめて呼び出す動きは、GeminiがSalesforceなど7サービスと連携した事例でも広がっています。

「業務データへ権限を確かめて接続」を表したイラスト

まとめ:つまずきやすいポイントとIT管理者が押さえておきたいこと

Dataverseの連携を管理する方は、対象データと認証の範囲を先に照合するとよいでしょう。公式例の所要時間は、各組織の権限調整まで含むとは限りません。接続の成功と、必要な人だけが必要なデータを扱えることを分けて確認する方法が考えられます。

※本記事はMicrosoft公式チュートリアルをもとにしています。画面や設定項目は更新されるため、実際の導入では同社の現行Dataverse MCP構成手順と組織の管理者設定を確認してください。

営業領域での活用例としては、Microsoft 365 CopilotがDynamics 365のCRM連携エージェントを強化した動きもあります。

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馬渡 徹郎 / Tetsuro Mawatari ホームページ

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