この記事のポイント
- Cloudflareの判断用AI「Clef」が、Ollamaでの手元の機器・クラウド双方の実行に対応。
- 文章を書く代わりに、あらかじめ用意した選択肢ごとの確率と判定結果をまとめて返します。
- 問い合わせの振り分けや条件判定、AIが外部ツールを実行してよいかの事前チェックなどが想定用途です。
Ollamaは2026年10月19日、Cloudflareの判断用AI「Clef」(モデルの規模は270億パラメータ)への対応をOllama公式ブログで発表しました。Qwen3.8-27Bに判断用の追加学習を行ったモデルで、Apache 2.0ライセンスで公開されています。
用意した選択肢から、入力に合うものを選ぶ
Clefは、ひとことで言うと「文章を書く代わりに、あらかじめ決められた選択肢の中からどれが正しいかを判断するAI」です。文章や項目名と値を組にしたデータ(JSON)、画像(スクリーンショット・レシート・フォーム・写真)を入力として受け取り、1語ずつ文章を生成するのではなく、入力を一度読み込んで、用意したすべての選択肢を同時にスコア化します。出力は、選ばれた結果とそれぞれの確率です。他のソフトから呼び出すための窓口(API)は、JevおよびSystem One形式と互換性があると説明されています。
想定用途とOllamaでの使い方
公式ブログが挙げる用途は、リクエストの転送先を決める「ルーティング」、Yes/Noを判断する「条件判定」、ルールに沿って結果を出す「ポリシー適用」、書類の画像を審査する「文書審査」、そしてエージェントがツールを呼び出す前に実行して良いかを確かめる「事前チェック」です。性能面では、Jev Decision Indexの評価を用いたCloudflare公表結果では上位とされ、レイテンシ(応答までの時間)は中央値で209.3ミリ秒と報告されています。(43種類の評価での公表値で、手元の機器での実測値ではありません。)利用はOllamaのモデルページからダウンロードしてローカルで実行するか、Ollamaのクラウドサービスを使う方法があり、ローカル実行には機器の資源が必要で、クラウド利用と外部送信の条件は同一ではありません。

まとめ:ローカルで判断系の処理を試せる
社内の処理で問い合わせの振り分けや条件判定をAIに任せたいと考えている方にとっては、文章生成AIを使わずに済む選択肢が増えたことになります。ローカル実行とクラウド利用では処理する場所が異なります。外部送信を避けたい場合はローカル構成の通信先と設定を確かめるとよいでしょう。どのモデルサイズ・用途が自社に合うかは、Ollamaのモデルの選び方を整理した記事も参考にするとよいでしょう。文章の作成と選択肢の判定を分け、自社の入力で判断が妥当かを比較する材料になります。
同時期にCloudflareは、抽出・計算・予測に特化した別モデル「Clairic」もプレビュー公開しています。Clairicを紹介した記事と併せて読むと、書類から値を取り出す工程と、その値から処理を選ぶ工程を分けて考えられます。