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NTTとSAP、ソブリンクラウドとAIで協業へ

この記事のポイント

  • NTTとSAPが、政府機関や重要インフラ事業者向けにソブリンクラウドとAI分野での協業を発表しました。
  • 第一弾は、SAPのクラウドをNTTのデータセンターで動かす仕組みと、NTTの運用サービスを組み合わせる取り組みです。
  • 現時点は協業の意向表明の段階で、提供開始の時期は未定、対象は規制業種が中心です。

NTTとSAPが2026年10月28日、「SAP Sovereign Cloud」と「SAP Business AI」の分野で協業する意向を共同発表しました。機密データやシステムの管理権限を自社・自国の管理下に置きたい規制業種に向けた動きです。

何が発表されたのか

SAPのアプリケーション群とSAP Sovereign Cloud、SAP Business AIの機能に、NTTのグローバルインフラ、運用サービス、業界特化型AIの知見を組み合わせる計画です。対象は政府機関、防衛機関・防衛産業、重要インフラ事業者など、データの取り扱いに厳しい規制がかかる業種です。両社は、顧客が機密データや業務運用への管理権限を保ちながら、クラウドとAIの革新を活用できるようにすることを狙いとしています。安全性やレジリエンス、デジタル主権を重視したデジタルトランスフォーメーションを進めることが共通の目標で、NTT側は今回の協業を通じて、実際の経営課題の解決につながるAI活用を広げたい考えです。

サーバールームの鍵と管理書類を確認する担当者

第一弾は「SAP Sovereign Cloud On-Site」

第一弾の取り組みは、「SAP Sovereign Cloud On-Site」とNTTが管理するインフラ・運用サービスの組み合わせです。SAP Sovereign Cloud On-Siteは、SAPが管理するクラウドを顧客が所有・選定するデータセンターで運用できる導入形態で、データの保管場所や現地での物理的な管理を確保し、現地の法令・規制への対応を支援します。発表時点では協業の「意向表明」であり、提供開始の具体的な時期は示されていません。

規制業種でAI活用を検討する際の視点

金融・公共など、データの管理権限を外部に渡しにくい業種では、クラウドやAIの導入自体がハードルになりがちです。今回の発表はまだ協業の意向表明の段階ですが、どのデータをどこで管理するかという切り分け方が具体的な取り組みとして見えてきた点は参考になります。デジタル庁の職員向けAIエージェント基盤「源内」のような国内の大規模導入例や、AI導入をパイロットで終わらせないための設計図と合わせて読むと、規制業種がAIをどう本番運用に乗せていくかの視点が広がります。

まとめ

今回はまだ協業の意向表明の段階ですが、政府機関や重要インフラ事業者がクラウド・AIを導入する際の「管理権限をどこに置くか」という論点を、具体的な取り組みで示した発表です。規制業種でAI活用を担当する方にとっては、今後の提供開始時期や対象範囲の発表を確認しておく価値があります。

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馬渡 徹郎 / Tetsuro Mawatari ホームページ

AI新規サービス開発や大手企業のAIエージェント導入支援をしています。