この記事のポイント
- 業務課題を具体的に決めてAIを導入していた企業は、全体のわずか28.1%でした。
- AI導入を先に決め、使い方を後から考えた層は、期待未達率が73.5%に達しています。
- 業務課題が具体的だった層の期待未達率は29.1%で、両者の差が際立つ結果でした。
株式会社Engineerforceが、企業でAI・生成AIの導入や活用にかかわる217名を対象に実施した調査(2026年10月23日発表)で、AI導入前の課題設定の有無と、その後の成果実感の関係が明らかになりました。
業務課題を決めていた企業は、全体の28.1%だけ
調査は2026年10月7日〜13日に実施され、企業・組織でAI導入や活用にかかわる217名が回答しました。AI導入前に「業務課題を具体的に決めていた」(数値目標まで決めていた層を含む)と答えた人は28.1%にとどまり、残る約7割は「大まかな目的はあったが対象業務は未定」「AI導入を先に決め、使い方は後から検討」「明確な課題はなかった」のいずれかでした。多くの企業が「何に使うか」を決めきらないままAI導入を進めている実態がうかがえます。
課題を先送りした企業ほど、成果に届いていない
さらに注目したいのは、課題設定の明確さと成果実感の関係です。業務課題を具体的に決めていた層では、期待した成果に届かなかった人の割合(期待未達率)が29.1%でした。一方、「AI導入を先に決め、その後に活用方法を検討した」層では期待未達率が73.5%に達しています。同じ「AIを導入した」という経験でも、入り口で課題を決めていたかどうかで、感じている成果に大きな差が出た形です。

まとめ
今回の調査は217名への1回のアンケートであり、因果関係を確定するものではありません。ですが、「先にAIを導入してから使い方を考える」進め方は、成果への実感が得にくい傾向にあることは、社内でAI活用を検討する際の参考材料になりそうです。導入を検討する前に、解決したい業務課題を具体的に言葉にしておくと、後からの効果測定もしやすくなるでしょう。似た調査データとして、AI導入で部下の評価に悩む管理職が53%にのぼったという海外調査も、導入後に起きやすい課題を知るうえで参考になります。
※ 2026年10月時点の情報です。