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Claudeで研究用モデルを高速化、GPU時間を約100分の1に

この記事のポイント

  • Anthropicは30以上の公開モデルを4週間弱で最適化し、2人の技術者の監督下で平均約4倍に高速化したと報告しました。
  • 16標的でGPU時間が約100分の1となった比較は機材と手順も異なり、コード改善だけによる差ではありません。
  • 同程度だったのは結合の見込みを計算する評価指標であり、薬の効き目や安全性を実験で確認した結果ではありません。

Anthropicの公式発表から、タンパク質設計の計算処理を見直した事例を紹介します。高速化の比較条件と、実験で検証する段階を整理します。

30以上のモデルを4週間弱で最適化し、平均約4倍に高速化

タンパク質の構造予測は、アミノ酸の並びから立体的な形を計算することです。タンパク質設計では、目的の形や働きを持つ分子の候補を考えます。どちらも創薬研究などで使われますが、計算量や必要なメモリが大きい作業です。

Anthropicによると、Claudeは生体分子の構造予測・設計や遺伝情報の解析に使う30以上の公開モデルを、専門知識を持つ2人の技術者の監督下で4週間弱かけて最適化しました。数値計算の精度への影響を抑えつつ、平均約4倍に高速化したと報告しています。

計算の中核部分を速く動かす専用プログラム「FlashPairformer」も開発。省メモリモードでは、1万トークンを超える大きな分子系の構造を、1つのNVIDIA GPUノードで予測しました。ノードは計算機の単位で、GPU1枚という意味ではありません。ここでのトークンはアミノ酸などの分子の構成要素を数えたものです。

GPU時間は約100分の1、同程度だったのは計算上の評価

以前の実験では、標的1件あたり最大1万ドル、H100 GPUで約2,500時間相当の予算を使いました。今回の実験では、モデルを最適化しただけでなく手順も簡素化し、H200 GPU 1台を24時間使用しています。GPUの世代と実験手順が異なるため、時間差をコードの改善だけの効果とはみなせません。

16種類の標的で比べたところ、分子が標的に結合する見込みを計算する指標は以前と同程度で、GPU時間は約100分の1、GPUとClaudeの利用料は合計約150ドルだったとしています。この指標は計算上の評価で、薬の効果や安全性を実験で確かめた結果ではありません。創薬全体の費用が100分の1になったという意味でもありません。

生体分子を扱う研究用コードを最適化し、計算に使う時間を減らす取り組み

最適化コードは公開され、Adaptyv Bioとのタンパク質設計コンペも発表されました。最大100万ドル分のClaudeクレジットと25万ドル分の計算クレジットを用意し、5,000件超の設計を実験で検証する計画です。

出典・参考資料:Anthropic公式発表。

まとめ:研究開発では計算効率と実験結果を分けて評価する

研究開発で計算モデルを使う担当者は、処理時間の短縮と候補分子の有効性を別々に評価するとよいでしょう。今回の成果は計算の効率化であり、実験で確かめる段階は別に残ります。

医療分野でのAI活用としては、Anthropicが生命科学向けのアクセス制度(LSVP)を開始した動きや、NVIDIAのMONAIが子どもの心臓手術計画を支援する3Dモデル作成を支えている事例もあります。

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馬渡 徹郎 / Tetsuro Mawatari ホームページ

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