この記事のポイント
- Liquid AIが、1台のGPUでも動かせる軽量なオープンウェイトモデル群「LFM3」を発表しました。
- テキスト・画像・音声などに対応する6モデルがあり、テキストモデルは4bitで約1GBに収まります。
- 自社データで追加学習して用途に合わせられる設計です。調整済みモデルも公開され、学習は利用の必須条件ではありません。
Liquid AIが2026年10月27日、軽量なマルチモーダルモデル群「LFM3」を公式ブログで発表しました。本記事では、モデルの構成と企業での使われ方のイメージを整理します。
6モデルがひとつのベースから派生する構成
LFM3は、文章、画像・映像、音声、それらを組み合わせるオムニ、判定処理を担う2種類の意思決定モデルの合計6モデルで構成されます。すべてベースとなる「LFM3-1.7B-Base」から派生しており、パラメータ数はいずれも約2Bクラス(20億前後。モデルの大きさを表す目安の数値)です。テキストモデルのLFM3-1.7Bは、前世代のLFM2.5-2.6Bより性能は上回りつつ、パラメータ数は35%少ないとされています。4bit量子化(モデル内の数値を少ないビット数で表して容量を減らす手法)をかけると、テキストモデルは約1GBに収まると説明しています。これはモデルの容量で、実行時には会話履歴などを扱うための追加メモリーも必要です。
発表では、手元の1台のGPUでもファインチューニング(手持ちのデータで追加学習させ、特定の業務に適応させること)ができる点が強調されています。開発段階ではSamsung GalaxyやRaspberry Pi 5、AMD Ryzen AI搭載PCなど幅広い端末での動作が確認されており、クラウドだけでなく手元の端末で動かす選択肢になります。
追加学習で特定業務に合わせる使い方を重視
公式ブログが挙げる使われ方は、受信箱の整理や予定管理、Web調査、朝のブリーフィング送信といった、特定の業務を任せる小型のエージェントです。同社が示したベンチマークでは、指示の正確な実行や関数呼び出し(AIが外部のツールを呼び出す処理)の評価で、一回り大きいモデルを上回る結果も示されています。自社データで調整する使い方を重視していますが、調整済みモデルも公開されており、追加学習しなければ利用できないわけではありません。同社の比較でも、知識やコード作業の評価では大きなモデルが上回る項目があります。小ささだけで精度や運用費を判断せず、任せたい業務で結果を比べることが大切です。

まとめ
LFM3は、1つのベースモデルから複数のモダリティへ枝分かれさせ、量子化で小型化し、手元の環境での追加学習にも対応する設計が特徴です。大きなモデルをクラウドで動かす方法に加えて、決まった業務だけを任せる小さなモデルを自社の端末で育てる、という選択肢が広がっていると捉えるとよいでしょう。ローカルで動かすモデルを検討する際の前提知識はローカルLLMが動くパソコンの目安、モデル選びの基本的な考え方はOllamaのモデルの選び方で詳しく解説しています。
検討時には、まず公開済みモデルで自社の代表的な入力を試し、足りない能力と実行環境を見極めるとよいでしょう。その結果をもとに追加学習の必要性を判断すれば、小型モデルを使う目的を明確にできます。
※ 2026年10月時点の情報です。