この記事のポイント
- 決済大手Blockの研究チームが、人間の会話音声だけで学習した音声対話AI「Dessa」を発表しました。
- テキストは使わず、話しながら相槌を打つなどフルデュプレックスの自然な会話が持ち味です。
- 現状は非公開で一般は待機リスト登録制、AI安全性研究者には先行アクセスが用意されています。
決済大手Blockの小規模AI研究チームが、音声対話AI「Dessa」を公式ページで公表しました。本記事では、学習方法の特徴と現在の提供状況を整理します。
テキストを使わず、人間の声だけで学習
Dessaは、文章データや既存の学習済みモデルを土台にせず、人間同士の会話音声だけを使ってゼロから学習したモデルです。音声を入力してそのまま音声を返す「speech-to-speech」方式で、文字に変換する工程を挟みません。
特徴は会話のタイミングです。ひとことで言うと、人間同士の会話のように話しながら同時に聞くことができ、相手の話に相槌(バックチャネリング)を挟めます。感情や皮肉、笑い、ため息といった言葉にならない情報も扱えるとされ、応答の速さもリアルタイムより速いと説明されています。学習には、NVIDIAのGB200 NVL72を1台使ったとのことです。

今はどう使える?非公開の先行アクセス段階
動作環境としては、MacBook Pro M4 Max以上のマシンでローカルに動かせるとされています。ローカル実行への対応は、音声の処理場所を重視する担当者にとって判断材料になります。ただし、利用時の通信やデータの扱いは、実際に提供される実装・利用条件で確認する必要があります。
ただし現時点では一般公開されておらず、利用したい場合はまず待機リストに登録する形になります。別枠として、AI安全性研究者向けには申請フォームを通じた先行アクセスが用意されており、「想定していないリスクを見つけるために外部の目が必要」という考え方で少数の研究者を募っています。公開用のリンクは「近日公開」とされ、具体的な一般提供の時期は明らかにされていません。
既存の音声AIと何が違う?着目したい点
多くの音声AIは、文章を扱う言語モデルをベースに音声の入出力を足す形で作られています。例えばOpenAIのGPT Live 1もそうした音声対応モデルの一つで、実際にBlockのデモ音声でもDessaとの会話相手として使われています(ページには、GPT Live 1の開発元がBlockと提携したものではないという注記があります)。
これに対してDessaは、音声だけを学習データにする方向からの実装です。Gemini 3.8 Liveのような自然な音声会話への対応が進む中、学習方法そのものを変える選択肢が出てきたことは、音声AIの作り方の広がりとして見ておく価値があります。現状はまだ非公開の検証段階なので、業務への導入はこれからの話ですが、自然な会話タイミングを重視する用途を検討している担当者にとっては、動向を追っておくとよいでしょう。
※2026年10月時点の情報です。